洪水で保険は使える?
2026年9月16日

今年は各地で豪雨の被害が甚大となっております。
被災された方々におかれましては、1日でも早く元通りの生活を送ることができるよう心よりお見舞い申し上げます。

損害保険を取り扱う保険代理店として、実際に現場でも
「大雨で車が水没してしまったけど、保険は使える?」
「自宅が浸水した場合、火災保険で補償される?」
というご相談・ご質問をいただくことが増えており、ブログにまとめることといたしました。

なお、まず結論からいうと、洪水による被害は保険で補償できる場合があります。
ただし、自動車と住宅とでは使う保険が異なり、加入している補償内容によっても対応が変わります。
今回は、お客様から直近よく質問をいただくケースをもとに、洪水に対する保険の考え方をまとめてみました。
 

車が水没した場合、自動車保険は使える?

洪水や大雨によって車が水没・浸水した場合、まず確認すべきは自動車保険に「車両保険」がついているかです。
車両保険がついている場合、一般的には台風や洪水などによる車の損害も補償の対象になります。

例えば、こんなケース

大雨が降り続き、自宅周辺の道路が冠水。
駐車場に停めていた車にも水が入り、エンジンまで水没してしまった。
このような場合、車両保険がついていれば補償の対象となる可能性があります。
また、走行中に突然道路が冠水し、車が動かなくなってしまった場合なども、契約内容に応じて車両保険の対象となることがあります。
「事故を起こしたわけではないから、自動車保険は使えないのでは?」
と思われる方もいますが、車両保険は衝突事故だけの補償ではありません。
洪水・台風・高潮など、自然災害による車の損害も重要な補償範囲のひとつです。
 

「車両保険あり」なら、どんな水害でも大丈夫?

洪水による水没については車両保険の対象となる商品が一般的ですが、地震・噴火・津波による損害は通常の車両保険とは別扱いとなります。
そのため、地震によって発生した津波で車が水没した場合は、通常の車両保険では補償されないケースがあります。
同じ「水没」でも原因によって扱いが変わる点は注意が必要です。
 

車両保険を使うと次の保険料はどうなる?

水害で車両保険を使った場合、更新後の等級や保険料に影響するケースが多いです。
例えば、台風・洪水などによる車両損害で車両保険を使用すると、一般的に1等級ダウン事故として扱われます。
そのため、損害額や契約内容によっては「保険を使わず実費で直したほうがメリットが出るケース」も存在します。
万が一損害が発生した場合は、まず保険会社や保険代理店に連絡し、「今回の事故では保険を使ったほうが良いか」を確認しアドバイスを受けると良いと思います。
 

火災保険の場合は?

住宅の場合は、自動車保険とは違い、火災保険の「水災補償」がポイントになります。
火災保険は「火事のための保険」と思われがちですが、契約内容によっては、洪水・床上浸水・土砂災害などによる損害も補償されます。
つまり、
・大雨で川が氾濫した
・自宅が床上浸水した
・浸水によって床や壁が損傷した
・浸水によって家具や家電が壊れた
といったケースでも火災保険で補償対象になる場合があるということです。
ただし、ここでも大切なのが「水災補償が付いているか」です。
火災保険に加入しているからといって、すべての水災が自動的に補償されるわけではありません。
 

「水災補償があるから大丈夫」…でもありません

上記のとおり、水害を火災保険でカバーしたい場合、水災補償を付けていることが大切です。
ただ、水災補償をつけていたからといっても、すべての水害で保険が下りるとは限りません。
実は、現在主流となっている商品では「床上浸水」や「建物・家財に一定以上の損害が生じた場合」がお支払い対象になるなど、支払いに一定の条件を設けているものが一般的です。
そのため「水災が付いている=どんな浸水でも保険金が出る」というわけではありません。
保険証券を見るだけでは分かりにくい場合もありますので、契約している保険会社や代理店に確認するのが確実です。
 

床下浸水なら保険は使えない?

個人住宅向けの水災補償では、床上浸水や損害割合などの支払条件が設定されていることが多いです。
そのため、「床下まで水が来た」というケースと、「居住部分まで水が入り、床上まで浸水した」というケースでは、支払われる内容が異なる場合ががあることは注意が必要です。
現在ご加入の火災保険がどのような支払条件になっているかは、事前に確認しておくと安心かと思います。
 

建物だけでなく「家財」も確認しましょう

洪水では多くの場合建物だけでなく家財にも被害が発生してしまいます。
ちなみに家財とは
・テレビ
・冷蔵庫
・洗濯機
・ソファ
・食器棚
・パソコン
などの動産のことで、エアコンやキッチンなど建物に固定的に付加されているものは「建物」として補償対象に含まれるのが一般的です。

従来の火災保険では「建物のみ」という補償内容になっていることもあるため、家財が保険の対象になっているかも事前に確認をしておくと安心です。
 

「うちは川の近くじゃないから大丈夫」は要注意

弊社周辺の岐阜エリアは川が多くあるため、昔から水害には敏感で、ハザードマップに該当する場所も多いです。
一方で、他県の方や比較的高台にある住宅にお住いの方からは。
「うちは上げてあるから大丈夫」
「ハザードマップにかかっていないから大丈夫」
とお聞かせいただくこともよくあります。

確かにリスクは低いかもしれませんが、近年の豪雨で水災被害に遭われた方の一部はハザードマップでいう「安全エリア」の方々だったようです。
昔は線状降水帯などという言葉自体なかったように、近年は短時間に猛烈な雨が降ることで、排水が追いつかずハザードマップの「安全エリア」の方や都市部であっても水害被害に遭わないとは言い切れない環境になっています。

リスクが低いエリアの水災は、掛け金もお値打ちなことが多いです。
水災被害は損害額が大きくなりがちですので、「川から離れているから水災補償はいらない」と単純に判断するのではなく、一度試算して確認されることをおすすめします。
 

【ポイント】もし洪水の被害に遭われら、まず写真撮影

万が一浸水被害に遭ってしまった場合は、片付けを始める前に、可能な範囲で被害状況を記録しておくと後々の対応がスムーズです。
具体的には、
・建物の外観(全景)
・浸水した高さ
・床や壁の状態
・水に浸かった家具・家電
など、スマートフォンで構いませんので、被害状況が分かる写真や動画をできるだけ残しておくことをおすすめします。
※もちろん身の安全が第一ですので、無理ない範囲で問題ありありません。
 

洪水への備えは「被害が起きる前」に

洪水や浸水の被害が起きてから、「保険に入っておけばよかった」と思っても、残念ながらその災害に保険で対応することはできません。
だからこそ、何も起きていない今、一度ご自身の保険を確認しておくことが大切です。
「保険証券を見てもよく分からない」
「うちの家は水災補償を付けたほうがいい?」
「車が水没した場合、今の契約で補償される?」
そんなときは、保険証券や契約内容を確認しながら、保険の専門家に相談してみてください。
災害への備えは、被害が起きてからではなく、何も起きていないときに確認しておくことが大切です。
大切なご自宅やお車を守るためにも、この機会に一度、現在の保険内容を確認してみてはいかがでしょうか。